要点

  • 「満足度って何かな」と考えていくと、行き着くのは ホワイト企業 という像でした。でも、それだけでは幸福にはなれないと感じています
  • 幸福の時に出るホルモンには、エンドルフィン・セロトニン・オキシトシン・ドーパミン の4種類があると言われているらしいんです
  • ドーパミン は「ボーナス」型。ドカーンと興奮して、ストンと下がる。1〜2ヶ月で慣れてしまいます
  • エンドルフィン は達成感。瞬間としては短いけれど、達成という思いは少し続きます
  • 長期的に組織で出していきたいのは、セロトニン(安心していられる時間)と オキシトシン(関係性。犬を撫でるだけでも出る)
  • 組織をどちらに向かわせるかと考えたとき、すごくわかりやすいのがティール組織 だと思っています

1. 「満足度って何かな」から始まった

組織のことを考えていくうちに、ある時こう自問しました。

「満足度って何かな?」

考えていくと、それって、いわゆる ホワイト企業 のことなんですよね。就業時間がちゃんとしている。残業が少ない。いろんな最低限のことができている。

でも、それって、本当に 幸福 かな、と思ったんです。

満足度を満たしてあげるだけでは、幸福にはなれないんじゃないか。じゃあ、追加で何が必要なのか。そう考えていくうちに、幸福度 という別の軸が見えてきました。

そして次に、「幸福の時に身体から出るホルモンは何だろう」 という方向に思考が進みました。


2. 幸福ホルモンは4種類あるらしい

調べていくと、幸福の時に出るホルモンには、4種類あると言われているらしいんです。

  • エンドルフィン
  • セロトニン
  • オキシトシン
  • ドーパミン

この4つです。

組織を見ていくと、どのホルモンを刺激しているのかで、景色が変わって見えてきます。


3. ドーパミン — ボーナスはこのホルモン

まず ドーパミン。これは、私のなかでは ボーナス に対応するホルモンだと整理しています。

ドーパミンは、生理学的に言うと、ドカーンと興奮するホルモンです。最高値までグッと上がる。でも、その後にストンと下がっていく。

ボーナスを支給した翌日、スタッフは「院長、ありがとうございます」と喜んでくれます。でも、私の感覚で言うと、その喜びはだいたい 1〜2ヶ月。それを過ぎると、もう「そんなもん」になる。

これは、ドーパミンの性質そのものだと思っています。短期的な興奮はあるけれど、ベースラインに戻るのも早い。

ボーナスを否定しているのではありません。ただ、ボーナスで組織の幸福度を上げ続けるのは無理がある ということです。


4. エンドルフィン — 達成した瞬間に出るが、続かない

次に エンドルフィン。これは 達成した時 に出てくると言われています。

たとえば、難しい手術を乗り越えた瞬間。チームで何かをやり遂げた瞬間。あの感覚です。

ただ、エンドルフィン自体は、ドーパミンと同じように長くは続かないらしいです。

それでも、達成したという 思い は、その後もしばらく続いていきます。「あれを乗り越えた」という記憶は、本人の中に残る。ホルモンとしてのピークは短くても、その経験が幸福として残っていくのは、ドーパミンとは少し違うところだと感じています。


5. セロトニン — 「ここにいていい」と思える時間

ここから、より長期的なホルモンの話に入ります。

セロトニン は、ざっくり言えば、安心していられる時間 に出るホルモンと言われています。「そこにいていい」と思える状態です。

組織で言えば、

  • 朝、出勤して、安心して仕事が始められる
  • ここに自分の居場所がある、と感じられる
  • 急に怒鳴られたりしない

こういう状態の中で、セロトニンは継続的に出てきます。

ボーナス(ドーパミン)と違って、ピークは低いけれど、長く続く。ベースの幸福度を支えているのは、こっち側 だと思っています。


6. オキシトシン — 関係性のホルモン

そして オキシトシン。これは 関係性 のホルモンです。

人との関係性がいい時に出ます。家族との関係、同僚との関係、上司との関係。

私たちは動物病院なので、もう一つ大きな要素があります。犬を撫でるだけでも、オキシトシンは出る

これは、動物病院という現場の強みだと思っています。私たちの仕事の中には、もともとオキシトシンを出しやすい瞬間が組み込まれているのです。

スタッフ同士の関係性が良くて、なおかつ動物に触れる時間がある。これは、他業種ではなかなか持てない土台だと感じます。


7. 組織の方向は、どのホルモンを刺激するかで決まる

ここまで4つのホルモンを並べてみると、組織の方向性がクリアに見えてきます。

  • ドーパミン(ボーナス)だけに頼っていないか
  • エンドルフィン(達成感)が出る場面を作れているか
  • セロトニン(安心)の土台はできているか
  • オキシトシン(関係性)が回っているか

短期と長期、両方を見ないと、組織は揺らぎます。ボーナスだけでは続かないし、ホワイト企業の整備(満足度)だけでも、幸福度は上がりません。

そして、こういうことを考えていくと、組織をどういう方向に向かわせたらいいか が、すごくわかりやすい形で立ち上がってきます。

その答えが、自走する組織、つまり ティール組織 なのではないか。最近、私はそう感じるようになってきました。


まとめ

  • 満足度(ホワイト企業)と幸福度は 別軸 です
  • 幸福ホルモンには ドーパミン・エンドルフィン・セロトニン・オキシトシン の4つがあると言われています
  • ドーパミン(ボーナス)は1〜2ヶ月で慣れます。短期的な興奮で組織を引っ張ることはできません
  • 長期で組織を支えるのは セロトニン(安心)とオキシトシン(関係性)
  • 動物病院は、犬を撫でるだけでオキシトシンが出る という現場の強みを持っています
  • どのホルモンを継続的に出せる組織にするかを考えていくと、ティール組織 という方向が見えてきます

FAQ

Q. ボーナスを上げれば、定着率は上がりますか?
A. 短期的には喜ばれます。ただ、私の感覚では 1〜2ヶ月で慣れる ので、それだけで定着率を維持するのは難しいと思っています。

Q. セロトニンやオキシトシンは、どうやって出せばいいですか?
A. 私の中で答えはまだ完全には固まっていません。ただ、安心して仕事ができる場関係性が育つ時間 をどう設計するか、というところに行き着くと思っています。

Q. 動物に触れる時間が、本当にホルモンに効きますか?
A. 撫でるだけでオキシトシンが出ると言われています。動物病院は、仕事の中にもともとそれが組み込まれている という、なかなか他にはない環境だと感じています。